写真家“浅田政志”さんがあなたを密着撮影する夢企画
題して『大切な人との大切な一日』
今年二月の企画スタートから半年ちかくの時間をかけまして、ついに一冊の家族写真集が完成いたしました。
香川県観音寺市で写真館を営む“白川家”のみなさんと浅田さんがつくりあげた力作をぜひご覧ください!
※現在開催中の「セレクション&インスタグラム展」で実際に手に取ってご覧いただけます。
また一つ、白川家の棚に大切なアルバムが増えました。
しかも今回は、沢山の人の協力と思いを詰め込んで作り上げた特別な一冊です。
準備の大変さも、撮影中の笑い声も、出来上がるまでのワクワクも、アルバムを見返す度に蘇って来ると思います。
「浅田さんに撮って欲しい。」4年後に叶った夢は、4年前に思い描いた時よりも、ずっと、ずっと、素晴らしいものでした。
Photobackの皆様、浅田さん、服部さん。白川家を撮りに来て下さり、本当にありがとうございました。家族を代表し、心より御礼申し上げます。
『大切な人との大切な一日』を撮影するために訪れた白川写真館。四世代の家族に乳母!や写真館を支えるスタッフが入り混じり、総勢26名での大撮影会となりました。被写体としての意識も高く、撮られ上手なみなさんを見つめていると、生活の源に写真が存在していることをひしひしと感じました。本棚いっぱいに詰まった白川写真館のアルバムたち。そこに僕が撮影したFOLIOが加わる光景を思い浮かべては一人にやける今日この頃です。
今回の夢企画は、どのくらいの応募があるのか私たちスタッフもまったく見当がつかず、ドキドキの中ではじまりました。
結果として401件もの思い溢れるエピソードをいただき、浅田さんも私たちも頭を悩ませながら、最終的に香川県観音寺市で写真館を営む“白川家”にお願いをすることになりました。
浅田さんと白川家のみなさんのとてもクリエイティブな共同作業の結果できあがった写真集は、白川家のみなさんの四年越しの夢を実現するに相応しい、一つの家族の歴史をドラマティックに綴った一冊に仕上がりました。
企画の最初から最後まで終始リーディングいただきました浅田さんとアシスタントの服部さん、そして白川家のみなさん、本当にありがとうございました。
そして今回企画にご応募いただいたみなさんにもあらためてお礼申し上げます。
久しぶりの梅雨の晴れ間となった六月最後の週末。写真家“浅田政志”さんがあなたを密着撮影する夢企画『大切な人との大切な一日』の本番撮影の日がついに訪れました。場所は香川県観音寺市にある白川写真館。五月のロケハンを受けて、撮影シーンは全部で11シーンに。さまざまな物撮りも含めて二日間みっちりのスケジュールが組まれました。浅田さんは今回の撮影のために中判デジタル一眼645Z用の広角ズームまで調達する力の入れよう。撮影前から俄然期待が高まります。
現地入りした浅田さんは白川家のみなさんと1日目の進行を確認した後、さっそく本日最初のシーンとなる白川家のアルバムがズラリとならぶ部屋に移動。応募者の園子さん他出演者のみなさんの衣装も整い、配置についた白川家のみなさんと浅田さんのシーンづくりがはじまりました。浅田さんから「アルバムを押さえてる感じで」というお願いに対して、白川家のみなさんからは「アルバムが落ちてくるような感じでどうでしょう」という提案があったり、「それぞれの個性を出せますか」というお願いに対して、「彼女は昔からぬいぐるみとよく話していたので今回はカエルで」という提案があったり、じつにクリエイティブ?なやりとりが繰り広げられます。順調にそれぞれの役割が決まって、いよいよ本番撮影。何度となくシャッターが切られ、都度仕上がりを確認します。最後に「ラストです」の声がかかり無事に最初のシーンの撮影が終了しました。白川家のみなさんが本当に楽しそうに撮影に参加されていたことが伝わってくる、ステキな一枚のできあがりです。
でも余韻に浸っている余裕はありません。さっそく次のシーンの撮影に移ります。次のシーンはダンスホールで踊るおじいちゃんとおばあちゃんです。この日ために買ったというミラーボールを設置して、みるみるうちに写真スタジオがダンスホール風に変わっていきます。「どうしてもシャッタースピードが遅くなりますので動かないでください」と浅田さん。写真館を営んできたおじいちゃんとおばあちゃんは、当然その意味がわかっていらっしゃるので、見守る全員の心配をよそに、微動だにしない完璧な演技をみせます。そしてできあがった一枚には、写真館のスタジオとは思えない幻想的な光のなか、おじいちゃんとおばあちゃんの二人の見事な立ち姿が。浅田さんもこの仕上がりに大満足のようすでした。
そして本日3シーン目となるのは、昔撮られた家族写真をまったく同じポーズで撮り直す再現写真です。おじいちゃんとおばあちゃん、娘さん二人が収まった白黒写真を片手に細かく指示をだす浅田さん。何度も何度も写真とポーズを見比べながら、納得いくカタチに近づけていきます。何十年もの時を経て、今再現されつつある写真をみていると、時間旅行をしているような不思議な感覚に陥りました。
その後浅田さんは物撮りに入ります。
今回の物撮りはただの物撮りではありませんでした。造花、キューピーちゃん、イス、ぬいぐるみ、アルバム、三脚、カメラ、ランプ、ミニチュア…。白川家にはいろいろなこだわりのモノがあって、しかもどれも数が多いのです。浅田さんもこのあたりはすでに織り込み済み。家中からモノを集めて、まるで集合写真のような物撮りをどんどん撮っていきます。造花にしても、イスにしても、キューピーちゃんにしても、集まったモノが一堂に会すると圧巻そのもの!物撮りにもかかわらず、これらのモノの歴史までも感じさせる仕上がりに、ただただ驚くばかりです。
おじいちゃんのコレクションでもあるカメラの物撮りは、カメラの配置をあれこれ試行錯誤の上、最後は円状に並べることに。これまた、おじいちゃんのミニチュアの物撮りは、いつもおばあちゃんが使っている虫眼鏡をつかって拡大したようすを、角度や照明を変えながら撮影を続けていました。
そしてこの日の最後は小さいお子さんをお姫様に見立てたシーン。いままで大人ばかりで撮ってきたシーンとは打って変わって、なかなか思うような表情を見せてくれず、取り囲む大人女子陣を翻弄します。そんな中で偶然に出た「シ~」のポーズを浅田さんは見逃しません。「次もシ~でいきます」と立て続けに連写していきます。そんな中で押さえた、みなさんの息もぴったりのキセキの1枚。この1枚をもって1日目の撮影は終了となりました。
撮影後、リビングに集合する白川家のみなさんに、浅田さんから本日撮影された写真の紹介がありました。みなさん写真のできばえに大喜びで、会話もどんどん弾みます。明日はいよいよ“なりきり集合写真”本番です。写真スタジオに置かれていた一人一人の袋の中にはすでにそれぞれの準備がされているそう…。どんな撮影になるのか、期待が膨らむばかりです。
早朝というのに白川家のみなさんはすでにテンション高め。浅田さんが白川家にお邪魔したときには、赤白ボーダーの衣装に着替えたみなさんの歓迎を受ける状況になっていました。さっそく本日最初のシーン撮影に入ります。題して「ウォーリーをさがせ」です。本日も浅田さんのお願いに、みなさんの返しも絶好調。どんどんシーンが作り込まれていきます。そして掛け声は「みんなでサティにいくよ!」「やったー!」。盛り上がれば何でもあり。本番撮影2日目の長い一日がはじまりました。
引き続いて写真館の外でサッカーを題材としたシーン撮影に移ります。サッカーボールを足に貼り付けたり、イエローカードやレッドカードを出したり、パンをかじったり。いろいろな人がいろいろなコトをやっている賑やかな状況を演出します。撮影が外ということもあり、道行く人たちばかりでなく、道路を走る車までも徐行して、撮影のようすを気にかけているようす。浅田さんもいろいろ無茶なお願いをするのですが、白川家のみなさまはそれに応えるばかりか、さらに別なアイデアを返してくるので、場がどんどん熱くなる一方です。おばあちゃんもとてもうれしそうに撮影のようすを見守っていました。
そして次のシーンは祭りを題材としたもの。毎年大変盛り上がる恒例のお祭りだそうで、そのお祭りのオレンジ色のはっぴに着替えた男衆の撮影となりました。白川家の男衆、普段から着慣れていることもあり、とても様になっています。親分を中心に、お祭りを熱弁する若い衆や腕組みして取り囲む旦那衆、のぞき込む小さいお子さんまで、本当にお祭りに対する思いが伝わってくる独特の世界観をつくっていきます。浅田さんも次から次へとアイデアが湧いてくるようで、じつに楽しそうに撮影を進めていました。
この後は今回撮影で唯一写真館を離れての撮影となる浜辺のシーンです。
梅雨の晴れ間となる心地よい青空のもと、おじいちゃんとおばちゃんがデートをしたという写真館の近くにある琴弾浜という浜辺に、二人の出会いを取り持ったご夫妻他と出向きます。浅田さんはこのシーンは植田正治風のイメージを固めていたようで、五人に間隔を置いて立っていただくようにお願いします。そして目を閉じて上を見て欲しいとのお願いに「なんで写真を撮るのに目をつぶる」とおじいちゃん。そこで作品の意図を説明しながら、最後には浜辺をわたる風を感じさせるような、全員最高の演技をみせていただきました。浅田さんはこの写真はモノクロでとのこと。写真集の中でもひときわ目を引く作品になること間違いなしです。
琴弾浜のちかくには、白川写真館が記念撮影を依頼されているチャペルがあります。次のシーンはチャペルではたらく白川写真館のみなさん。浅田さんを撮る白川写真館のみなさんを浅田さんが撮るという、ちょっと不思議な光景となりました。じつはシーンの撮影後に本日ご結婚される実際のお客さまの記念撮影がありました。おじいちゃんもおばあちゃんも、今は仕事の第一線は退いているのですが、記念撮影に入られる新郎新婦を前にすると、今までとはまた違った背筋がピンとしたような凜々しい姿に。このようすには応募者の園子さんも驚いていました。
このあといよいよ“なりきり集合写真”の撮影です。
写真館に戻るとみなさんこぞって着替えをはじめていました。今回の目玉となる“なりきり集合写真”は、家族全員が干支に扮した写真です。総勢30名近くになる白川家。十二支すべての干支が揃っているとのこと。そこでみんなで干支に扮して写真を撮ろうということになったそうです。各自それぞれ準備した干支の衣装。こちらの撮影場所は、サッカーシーンと同じ写真館の外です。勢揃いした干支達は輪になってならびます。道行く人たちも、通りがかりの車も、みんな不思議そうな感じで見ていきます。そんな中、脚立に登った浅田さんの合図にしたがって、応募者の園子さんのお母さんが大ファンの“氷川きよし”の掛け声が、日曜日の昼下がりの街に響きます。「さあ、撮ります!」「ずんずんずんどこずんどこきよし!」「もう一回!」「ずんずんずんどこずんどこきよし!」浅田さんと白川家のみなさんが一体となって撮影はクライマックスを迎えます。「ラストです!」「ずんずんずんどこずんどこきよし!」最後はみなさんから自然と拍手が巻き起こっていました。
そして、ついに最終シーンとなる写真スタジオでの家族全員の集合写真です。さきほど干支に扮していた白川家のみなさん、フォーマルな衣装に着替えての登場。そのギャップがスゴすぎます。背景に収まりきれないほどの人数が揃っての集合写真は、見ている側も感慨深い思いがこみ上げてきます。本当に長い本番撮影の二日間がこの集合写真をもって終了しました。
すべてが終わった後、応募者でもあり今回の撮影をとりまとめた園子さんの言葉。
こんなに家族が一同に集まることはもうないかもしれません。
本当に貴重な機会をありがとうございました。
今回の夢企画はすべてこの言葉で締めくくられるかもしれません。
一番身近な存在である家族だからこそ、写真を残す機会をもっともっと提供していきたい。そんな思いを強く感じた本当に充実した二日間でした。
この二日間の記録は一冊の『FOLIO』となって白川家にプレゼントされます。
浅田さんと白川家の共同作品となる『FOLIO』は近日「STAGE」でも公開予定です。
乞うご期待ください。
季節外れの台風が来襲した五月のとある日、家族写真の第一人者“浅田政志さん”があなたを密着撮影する夢企画『大切な人との大切な一日』のロケハンが行われました。
ユニークな家族写真で知られる浅田さんの撮影は、どのような写真を撮りたいか、参加者と綿密なミーティングをすることからはじまります。ミーティングの中では、参加者の声を丁寧に拾い上げ、本番撮影のイメージを膨らませていきます。当日はどのような服装でどのような小道具を準備するのかなど、浅田さんと参加者全員で場をつくりあげていきます。その後、参加者が自ら服装や小道具などを手配して、本番撮影に臨むといった段取りで全体が進行するのです。
そして今回応募総数401件の中から選ばれたのは、香川県の西部に位置する観音寺市で長年にわたり写真館を営んでいる白川家。
おじいちゃんおばあちゃんから、写真館ではたらいている人まで、一族の大集合を撮影してほしいとのことで、以前から写真館の日常を写真に残したかったという浅田さんも大変楽しみにされていました。
叩きつけるような雨の中、白川家に到着した浅田さん。さっそく白川家のみなさまから歓迎を受けます。まずは応募者さまが、前日のうちから準備をしていたという写真入りの家系図がテーブルの上に広げられました。応募コメントにあったとおりのまさに大家族が、写真とコメントでとても分かりやすく紹介されていました。いままで数多くのご家族とお会いになっている浅田さんも、こんな家系図を準備しているご家族は記憶にないそうで、とても驚かれていました。
そして、白川家の中は本当に写真で溢れていました。二階の本棚を埋めつくばかりのアルバム、一年に一枚撮り続けているご家族の集合写真、おじいちゃんとおばあちゃんの若い頃の写真から、生まれて間もないお子さんまで、写真館だからといえばそうなのかもしれませんが、あちらこちらに写真が飾られています。「いまの人はプリントしないから」とこぼす白川家のみなさんのひと言から、写真はあとから見返すものという、写真を撮ることの意味のようなものをあらためて教えられたような気がしました。
浅田さんも、古いカメラやランプ、おじいちゃんの創作品など、いろいろなものに興味津々。白川家のみなさんとの会話が進むにつれて、今回の撮影のコンセプトがかたちづくられていきます。
白川家のみなさんによると、この写真館の歴史のようなものを一冊の写真集として残していきたいとのこと。一方では日常のようすなども織り込んで、いまこの瞬間を大切にしていきたいという強い思いも。そして最後は浅田さんの写真らしく、ユーモラスなご家族の集合写真で締めくくりたいそうです。
じつは、いまから四年前、大阪で開かれたアルバムエキスポに訪れた応募者さま。イベントに参加されていた浅田さんとお会いした際に「もし叶うならば家族写真を撮っていただけませんか?」とお話をしていたとのこと。その後、実際に浅田さんの撮影企画に何度か応募をするもなかなか実現せず、今回こそはと『大切な人との大切な一日』にご応募いただいたそうです。
「四年越しの夢が叶いました。」そうおっしゃる白川家のみなさんに不思議なご縁を感じざるを得ません。
ご家族の集合写真は、すでにステキなアイデアがあるらしく、浅田さんも「ぜひやりましょう!でも準備大丈夫ですか?」と思わず聞き返してしまうほどのこだわりよう。
本番撮影は一月半後の六月下旬を予定しています。白川家のみなさん、撮影の準備、よろしくお願いします。
さて、どのような写真集ができあがるのでしょうか。
乞うご期待!
家族写真の第一人者“浅田政志”さんとPhotobackによる夢のようなプレゼント企画。
浅田政志さんが日本全国どこでもご指定の場所にお邪魔して、あなたの一日を密着撮影。
題して『大切な人との大切な一日』
一組限定のプレゼントに、なんと401件ものご応募がありました。
ドラマのようなエピソードばかりでとても難しい選考でしたが、
浅田さんとPhotobackにより選ばせていただきました。
選ばれたエピソードはこちら!
祖父母が作った写真館は今も続いています。でもこれからはどうなるかわかりません。いつも人を撮ってばかりいた祖父母を彼らが作って守って来たその場所で浅田さんに撮って欲しいです。祖父母二人の姿と、働いてくれている人、一族の大集合を撮影して欲しいです。
とある地方都市の写真館の一日を浅田さんが密着撮影。
現在のところ、5月中旬にロケハン、6月下旬に本番撮影の予定です。
めったに体験できない特別なその日まで、そのようすは随時レポートします。
ぜひお楽しみに!
専門学校在学中に自身を含めた家族写真を撮り始め、「浅田家」(赤々舎)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。
2015年3月に東日本大震災での写真洗浄の現場を取材した「アルバムのチカラ」(藤本智士氏共著/赤々舎)を刊行。